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なすところをしらざればなりFOR I KNOW NOT WHAT I DO 

Verweile doch, du bist so schön (Dies irea #1)

   ↑  2009/07/27 (月)  カテゴリー: 未分類
Dies irae Also sprach Zarathustra -die Wiederkunft-Dies irae Also sprach Zarathustra -die Wiederkunft-
(2009/07/24)
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『Dies irea 2009夏 不完全版(笑)』のプレイメモ。今6章くらい、たぶん半分くらいだと思うんですけどね、やーどうなんでしょ。おもしろいんですけどね、はっきりいって「プロローグ」が神すぎて、他が霞んでしまうというか、プロローグの時に魅せた神の片鱗よ、その御身を我が目前に表したまえ、と祈りを捧げるしかない感じです。うん、いや、その、完全版出たら買うけどね。

「法則を曲げたければ、夢物語を排除せよ―――卿の持論だったかな」


人は、運命に縛られるとしたらどうだろうか。負ける者は負ける運命をその身に背負っている。彼がどうしようが何をしようが、負ける運命なのだ。たとえ百回繰り返しても、たとえ千回繰り返しても、たとえ万回繰り返しても―――負ける「運命」なのだから、勝つ確率は零である。勝ち目はない。勝つ日は訪れない。何をして、何を選び、何処を歩もうと、「負ける」という定めからは逃れられない。
そのような牢獄に――法則に――ゲットーに、縛られている。閉じ込められている。
だが、しかし。
それでもなお、勝ちを望む者がいたらどうだろう。その運命を越えようとする者はどうだろうか。
千回万回億回でも辿り着けぬと言われ様が、それでもなお私は勝利を望む。

ならば。そのための方法は―――勝つための方法は、ただ一つ。
運命を壊すのだ。牢獄を破るのだ。法則を曲げるのだ。
それは普通では辿り着けない。正常では辿り着けない。当然だ。辿り着けないような高みにないものを、「運命」とは呼ばない。どうしようもなく勝てなく、どう足掻いても破れず、何をやっても曲がらないからこそ、それは運命と呼ばれるに足る存在なのだ。

だが、それを破る方法。
ひとつだけある。
私が、それを破れない私から、”破れる私になればいい”。
人のままでは破れない。よかろう、ならば人を超越しよう。正気のままでは耐えられない。よかろう、ならば狂気を手に入れよう。太古の昔からそうだ、普通の人間に不可能なことは、普通じゃない人間が為し遂げてきた。ならば此度も。普通じゃない人間になろう。正気で届かないのなら、狂気に身を浸そう。
この身は。この心は。
ただそのゲットーを打ち破る為の、唯一の機関。ゲットーを曲げる為の、魔方陣の一つ。ゲットーを壊す為の、獣の鬣。
為し遂げるために。為し遂げるために。
運命を認めない。敗北を認めない。諦めることを認めない。ここに居るのはそういうモノども。
……残念ながら卿ら、人間の限界をこの十三騎士に見ることは叶わない。人は負ける、それでも勝ちたいならば、人ならざるものになる以外に手段はない―――人の存在限界、人の象徴限界であるからこそ、其れは人に枷られた運命と呼べるものなのだ。……しばしの、無念をここに。そう、人を超越してしまっては、最早ヒト足り得ないのだから。

……だが。
決して狂気に浸ることが無い。そう、彼は、おかしなほどに「狂っていない」。
この状況でも正常を求め続ける。常人なら狂ってもおかしくないような場面も、常人なら狂ってもおかしくないような自己の状態でも、まったく狂う事はない。まったく狂うところはない。それは―――それは云うまでもないが、「正常ではない」。正常な者が異常になるべき事態にあって正常でいようとするものは、別の意味で狂っている。
そうだよツァラトゥストラ。彼は自己の位置を自分で決める。自己のあり方を自分で決める。たとえば、彼は、香純や司狼を「巻き込まないように」しようとしているが、その方法は、その手段は、「なりふりかまいすぎている」。なりふり構ってないのではなく、なりふり構っているのだ。この状況でも、決して、異常と・異端と・異質と呼ばれるほどの手段を取らない。本来ならいくらでも強引な、いくらでも狂的な手段を執ってもおかしくないだろう。本当に守りたいのならば、本気で隠すか隠れるかすればいい―――けれどしない。なりふりを構う。
その答えは唯一つ。彼の位置だ。ここで狂的な手段を執ってしまったら、彼にとっての自分含めた様々なモノの位置が変わってしまうからだ。そこに狂気を孕ませたら、彼が日常と呼ぶあの安らげる時間の総体は霧散してしまう。そうならぬために―――そう在らないための、彼の”狂ってない”ところ。
狂ってないが、これは勿論、正常ではない。これは、一言で云えば、ただの、彼の在り方だ。

ここに僕らは人の限界を期待するとして、さて、ゲームプレイを続けよう。
今日も今日とて、また、
今宵のグランギニョルを始めよう―――

FC2スレッドテーマ : 美少女ゲーム (ジャンル : ゲーム

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2009/07/27 | Comment (-) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ |

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