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そらいろ プレイメモ#1

   ↑  2009/09/21 (月)  カテゴリー: 未分類
第一印象兼メモ。
ちょっと予想外なほど、良いです。まだまだまだまだ途中だから、はっきりしたことは言えないですけど。かなり良い感じ。
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とりあえず、花メインシナリオはクリア。これは普通に良かった。そして愛衣メインシナリオを半分くらいプレイ、これがめちゃくちゃ素晴らしいものになりそう。残るつばめメインシナリオは片岡ともさん担当なので、やる前から良くなることは分かってる。
つまりこれはもう間違えなく、傑作――少なくとも良作――であろう、と。

根幹にある「幼ななじみシステム」も、クリティカルに成功しているっぽいです。どんなシナリオも、十年越しの恋や、十年来の想いにかかっていく。もちろん、十年分の借りやマイナスも、そこに含めて。
そういった時間分の重みを、決して軽視しないシナリオ&テキストに(今の所は)なっているし、この調子だと、ここから先も、多分そうなっていると思う。多分ですけど。
とにかく、予想外に良かったですね。あと、ねこねこソフトの旧作「ラムネ」をやってると凄い楽しめるらしいです。自分は未プレイなので分かんないんですけど。

以下ネタバレ(花メインのネタバレ)で、メモ。



■花子メインシナリオ

「十年前から好きなんだ」といった場合、その十年前に、何らかの「好きになった原因」を見て取ることは可能でしょう。スポーツの助っ人として活躍する姿、まるでヒーロー……スーパーマンのようなその姿に憧れを見い出し、その頼れる誇らしい姿に、やがて恋心を抱く。
共有としての練習、楽しいから続く十年の時、応援と助っ人の転覆。その先に、そこを目指した――目指してしまった。

だけど、やっぱり見たかった。
先輩が救世主のように扱われ、みんなに頼りにされてる姿を見たかった。
そしてそんな先輩を誇らしく見ていたかった。
きっとこの頃には憧れではなく、純粋に恋心を抱いていたんだと思う。
だから。
私は依頼を断る先輩を見ながら、いつか…という考えを募らせた。
それはいつしか使命感に
『わたしが前の先輩に戻すんだ』という考えに変わる。


かつて自分が”最初に惹かれた”、原風景の姿を取り戻そうと。
花子は、自分が「どういう気持ちで」助っ人をしていたのか分かるかと健士に問いますが、その気持ちというのは、そこ。それはかつての彼を取り戻そうという試み――
その考えから、わたしはまず先輩に近づく事にした。まずは同じフィールドに立とうとした。
そうして頑張れば、一生懸命に練習すれば、いつか先輩も元に戻ると考えていた。
子供の自分にはそれしかなかった。
憧れから恋心へ。
それは至って普通の経緯。

”かつて”の――私が一番最初に好きなるきっかけとなった、かつての健士くんの姿に、またなって欲しい。それが「どういう気持ち」の、まずの答えでした。つまり”かつて”という幻想を追いかけて、それ故に、シナリオ後半のような激しい助っ人活動があった。

「十年前から好きなんだ」の理由・原因を探れば、一番最初に行き着くところは、そこになるでしょう。
その格好良い姿に憧れた。全ては、そこからはじまった。だから花子は、取り戻したいと思った。
けどですね、それはそんなに重要ではないんですよ。実際は、そんなものは「十年前から好き」の理由でも原因でもない。ただ始点としてのきっかけでしかない。結果から原因を導き出した時にそうだったというだけであり、それが全てではない。

遡及的過去形成。遡及的という言葉通り、現在(あるいは未来)から、過去を形成するという、言わば時間軸を逆転したものです。これはまあ……この記事自体がメモなんで、ついでにメモっておきましょう。『そらいろ』からメッチャ話それますけど気にせんといて。エロゲにおける遡及的過去形成は、3つに分けられるでしょう。
1、心的現実としての遡及的過去形成。これはエロゲどころか現実においても普通にあることですね。エロゲだったら『俺つば』とかまさにというか、ウルトラミラクルスーパーそう。過去に”そんなことは無かった”のに、心の中(記憶の中)では、そんなことが”あった”と認識・記憶している、というもの。あるいは”そこまでではなかった”けど、”そこまでのもの”と記憶してしまっている。覚えるに際して、何らかの脚色や誇張が為されたり、あるいは、本当はそんなこと全く起こっていないのに、起きたことになってしまったり。まあ詳しくは心的現実でぐぐればいいんじゃないですかね(ぉ)。ちなみに『俺つば』の(統合ルートの)要点はこれだとボクは考えています。
次2番目、過去に現在の原因を求めた際に見つかる原因・理由という遡及的過去形成。現在ほにゃららだけど、それは実は過去のある時点から既にはじまっていたのだー! という発見がそれです。ちなみにそれが本当かどうか――因果関係的なものが確固としてあるのかどうか――は別の話。アンリ・ベルクソン引っ張ってきます。「過去の中に可能的なるものを宿らせることができる、というよりはむしろ可能的なるものはあらゆる瞬間に自らすすんで過去の中に入り込む、ということは疑いを容れません」。過去に現在に至る可能性があったのではなく、現在がこれだからそこから過去にその原因=可能性を”発見できた”。それは(現在がそうであることは)ただの偶然であって必然ではない、それは「錯覚」だ。……ベルクソンだともっとダイレクトな(それこそまんま「遡及的過去形成」という単語を使っている)言葉があったんだけど、ちょっとメモを失くしちゃった。後で補遺したい。ともかく。現在から過去を見て現在の原因・理由を探るというのは、「本当のそれ」ではなく、「それ」を無理矢理過去に見い出した結果――遡及的に構成されたそれである、というところである可能性は否定できない。軽く心的現実とも被りますね。『そらいろ』に接続できるのはここです。こんな長く書く必要はないんですけど……あとに回すとして。
3つめ、これはゲームならでは。いまだ確定されていない過去が、選択肢によって(プレイヤーの行動によって)遡及的に確定されていくということ。具体的には、例えばこういう選択肢ってありますよね。ちょうど先日やった『ナツユメナギサ』でもあったのですが、「後から声をかけられた……この声は」「【選択肢】「Aだ」「Bだ」「Cだ」「Dだ」(ABCDには各キャラクターの名前)」という選択肢があって、そして、そこで選んだキャラが実際に声をかけるという。選択によって、行動が遡及的に決まってしまうのです。『そらいろ』だったら、冒頭過去部の「みんなでお風呂」の時、主人公は誰と一緒に体を洗うかを選択肢で選べるのですが、それが、誰を選んでも、主人公がそうしようと言ったのではなく、ヒロインの方からそれを選んでしまう(「愛衣」を選択したら、主人公は何も言っていないのに愛衣が「じゃあ自分が……」と述べるし、花子を選択したら、主人公は何も言っていないのに花子が「じゃあ自分が……」と述べる)ように。決定が表明されていない限りにおいて、既に為されている決定が逆に=遡及的に構成される(http://d.hatena.ne.jp/milkyhorse/20061022/p3#c3-6-2 の辺は似た問題意識だけど、寧ろプレイヤーの心的現実じみてる感もあるような気がするので、精査するまで多少距離を置きたい)。
またこれとは別に、単純にタイムスリップ系、未来の出来事が過去に”逆に”影響を与える――つまり未来の出来事が起こりうる原因を過去に遡及的に構築する、というパターンもあるでしょう。


さて、ウルトラ脱線しましたが『そらいろ』の話に戻りますと、原因・理由というのは、きっかけや始点としてはありえても、それが全てがありえないということです。花子は”かつて”の健士をきっかけに・始点に好きになったのだけれど、決してそれが全てじゃない。そのことは、”かつて”の健士と違ってしまった<今の健士も変わらず、何年もの間好きでい続けているということが何よりも証明しています。
だからラスト直前、彼らの仲直りはこう語られる。

元々、俺達の間にそんなものは無かった筈で…
ちょっとした行き違いだったからとか、わだかまりなんて言葉だって…
ホントは俺達の間には無かったんだ。


十年もの間思い続けるということも、十年もの間楽しくあり続けるということも、そんなに軽いものではない。少なくとも、”かつて”が好きになるきっかけだったから、「それが全て」「それに戻ってもらわなくてはならない」なんて云えるほど、この”かつて”と異なる数年間は軽くはない。花子が追った幻想は、”ただそう思った”以上でも以下でもない――そんな重くない、それがいいなくらいの、それだけの話で、そしてそれは逆に、ここまでの十年の、思い続けたこと、楽しい時間の積み重ねが、それよりも遥かに重いものであるということを証明している、そんな話。


(記事編集) http://nasutoko.blog83.fc2.com/blog-entry-34.html

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