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2010/02/09 (火) カテゴリー: 星メモ
星空のメモリア
(2009/03/27)
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えー今回は蒼さんシナリオについての感想ということで。
……いちおうねー、当初は全員分のシナリオをこうやって書いていこうと思ってたんですけど、うん、ぶっちゃけ無理です。俺に星メモを語る能力がない。ひどい。ここまで絶望ったのは初めてですー。もうムリー。ということで、詳細に書くのはここまでにして、次になんかまとめっぽいもの書いて、星メモ感想は終わりにします。
衣鈴
失ったら悲しいというのなら、最初から手にしなければ何も失うものが無いのが道理で、何も失わなければ悲しく無いのも道理。つまり、手にしなければ、失うこともなく、悲しむこともない。
という、ある種当たり前のことですね。 蒼さんは、追いかけなければ寄ってくる、という部分が一切ない。 のは、手にしたくないから。自分から近づいて、掴むなんてことはしない。かといって、こちらから近づけば際限なく近づけるワケではない。贈り物(キャリングケース)を貰ったら「っぽい」と捨てたり、学際でプラネタリウムをやるのが「蒼のためでもある」と聞いた瞬間に、なんか飽きましたと言って工具を「っぽい」するとか。その分だけ遠ざかる。実際には、部活とか、学際の準備とか、色々となだめたりすかしたりすれば参加してくれるワケですが、しかし、そうやって近づいても、その分、別のところで逃げていく。 「私たちの関係は、なにも変わってないんです……」 という言葉を証明するように。
蒼 「私は、天体観測が好きなんじゃない」素晴らしいものは、既に失われてしまっている。そして、もう二度とそんな思い(=失うこと)をしたくないから、失うくらいなら、最初から手に入れない。だから、この壊れた望遠鏡で幻視る、想い出の星空だけで、蒼は十分であった。壊れた望遠鏡は、現実に在るものを映していないけれど、現実が失われていくものならば、はじめから現実のものなんて見なくていい。(ここでは)望遠鏡は、望む遠いところを視る鏡。現実に失くても、ここには無くても、蒼が望む遠空を、それは映し出している。
蒼 「想い出の星空が好きなだけなんです」
蒼 「だから、暗闇でも問題ない……」
蒼 「どうせ、雲雀ヶ崎からは見えない星空なんですから」
もしかしたら蒼さんは自分でも「それは悪夢だ」と分かっていながらそれを視ていたのではないだろうか。でなければ、自分の悪夢が刈り取られた(壊れた望遠鏡が砕け散った)ことに、怒りを覚えるはずがない。
さて、実際のところ蒼さんは、自分で言っていたように「我慢してた」わけです。友達や恋人、人との付き合い……それらが嫌いだったわけではない。嫌いなのは、来たるべき別れ。いや、”既に経験している”別れ。プラネタリウムを見せることで”一気に”彼女と洋は恋人関係に辿り着くわけですが、それは何もプラネタリウムを見せてくれたから恩を抱いたとか好感度上がったとかそういう話ではなく、それが象徴的に約束を履行したという結果からです。その直前・直後のやり取りに答えがあるでしょう。
蒼 「先輩は、見せてくれるんですか……」
蒼 「先輩は、連れていってくれるんですか……」
蒼 「想い出の地に……」
蒼 「遠いふるさとに、私を――――」
蒼 「必ず、連れていってください……」そしてプラネタリウムの最中には、そのプラネタリウムに映し出された星空に、自分の心情の真意――もう想い出の星空は「終わってしまっている」ものだということを、決定的に悟る。
蒼 「先輩……」
蒼 「ウソついたら、大嫌いになりますから……」
蒼 「大好きでも、大嫌いになりますから――――」
洋くんのことを好きだけど、想い出の星空に連れて行ってくれなければ=あの時の星空と同じ景色に連れて行ってくれなければ(想い出の星空というのは、楽しかった頃の「象徴」であり、つまり連れて行くというのは、雲雀ヶ崎の星空も(蒼にとって)それと同じにするということである)、大嫌いになる。このプラネタリウムは再現前の約束。「我慢していた」ように、本当はそれが大好きで欲しくて好きでたまらない。人に寄ってこられると嫌がるくせに、何故タロットで『恋人』の正位置を引くまでやり直したりしたのか? それは当然、”それを求めているから”です。翻れば、逆位置が意味する不仲・不和を求めていなかったから。本当は求めていて、でも失われてしまうのが怖くて、だから……見せてくれる・連れて行ってくれる人は、その点で信頼できるわけです。それは、既に別れを乗り越えているということだから。
蒼さんがタロットカード占いを好き……というか、タロットカード占いに非常に「こだわっていた」ことは、彼女の運命に対する思いを隠喩しているかのようです。運命に願いを掛ける――というよりも、運命に支配されているという諦観ではなかっただろうか。幼い頃、オーストラリアを離れるとき。その時は、自分の力ではどうにもならなかった。鈴葉の体が弱いというどうにもならない理由で、子供一人ではどうにもならない力で、ふるさとの地と避けようの無い別れを経験しなくてはならなかった。それは当時の彼女にとっては「運命」のよう。抗える道理なく、逆らえる手段なく、ただ為す術もなく受け入れる他に道の無いもの。それに支配されてここにやって来た彼女は、それ故に、その運命を視る望遠鏡とも言えるタロットカードで未来を占う。そして何度もカードを引きなおしたりするように、せめて視える運命においては、良い結果を請おうとする。
しかしシナリオ途中から、タロットカードは全く出てこなくなります。途中から……というか、だいたい洋くんと恋人同士になるあたりからですね。たとえば千波と仲たがいした時なんて、これまでの蒼さんならタロットカードで運命を占ってもよさそうなものなのに、ここでは全くそんなことしない。それは蒼さん自身も言ってる通りの理由からでしょう。かつて(7年前)は自分ではどうすることも出来ない力で、引き剥がされてしまった。しかし今は、あの頃とは違う、子供ではない。自分の力でどうにか出来るものなのだ、と。
今の蒼さんには、校則違反してまで、学校にまで持ちこんでタロットカードは、もう必要ない。何故なら、失われていく恐怖と、手に入ってしまう恐怖という、未来に待ち構えているかもしれない恐ろしい運命から逃れられているから。そんなものは”運命ではない”と知っているから。洋が、自分を「連れて行ってくれる」と約束したように。未来は運命ではなく、人の力で動かせるもの。千波が、和解の為に頑張って、そして蒼さんも一歩踏み出せたように。運命により仲は決定的に引き裂かれるわけではなく、自分(たち)の力でそれは乗り越えられるものだと。
と、ねえ、こうやって明日歩シナリオと蒼さんシナリオについて書いてきたのですが……
ムリー! ムリーー!!
もう無理です、これ続けんの。だってすげー、再プレイして何時間もかけて捻り出して書けた感想がこの程度なんだもん!なんという無様! わたしの書き記したことは、結局あらすじを書いてるだけと殆ど変わりなく、そこに妄想解釈を少しプラスしただけである。”何時間もかけて”。うわーー、だめだー、ありえんてぃーー! なんだこれ、星メモはここまで恐ろしいか、感想を書こうとすると自分の非才を思い知らされるだけではないか(笑)(←酷すぎて笑ってしまう系)
ということでですね、当初は全員分のシナリオをこういう感じで書いていこうと思ったのですが、もうギブアップします。僕に星メモを語る能力はない。この器では、時を費やしても、この程度のモノしか出来上がらない……あーもーなんといか、ここまで作品に敗北ったのは初めてだぁー。つうかこうやって書こうとする度に、無力さと凡庸さを思い知らされて、まるで去勢されてるようだー。ダ~メ人間……クスクス。そもそも全クリア時に、何を書きたいかということがまったく思い浮かばなかった、それでいて素晴らしい作品だと思った、という時点でもうムリだったのだ。第一印象の時に「メアが可愛すぎて綺麗すぎて恐ろしい」と書いたけど、ホントもうそれだけでいいんじゃないだろうか。「メアが凄い」。それが星メモです。うん、星メモだよ。
……あーうー、どうせ俺が書かなくてもどっかの誰かが素晴らしいもの書いてくれるよー。ということで、個別シナリオに関して細かく書いていくことにギブしました。
あと一回、なんか、まとめる感じのなんか(多分ショボイ)を書いたら、星メモについてはいったん終わります。
(記事編集) http://nasutoko.blog83.fc2.com/blog-entry-76.html
2010/02/09 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ |コメントを投稿する 記事: 星空のメモリア 蒼さんシナリオ
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